あらすじ

　父親に腕を切り落とされ旧帝国ホテルの設計者フランク・ロイド・ライトを騙し大金をせしめた煉瓦職人：久田吉之助。

　その吉之助について名古屋の出版社・中京書房から記事を依頼されるフリーライターの佳野久美は取材を始める。

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　西洋の黄色い煉瓦の製造に成功し職人も揃い経営する工場が繁盛するが糖尿病で右腕を切断、仕事をなくし工場も倒産…

　3年後…帝国ホテルの煉瓦制作を依頼され工場を再開するも職人が集まらず作業が難航するなか病状が悪化し再入院。

​　退院したものの契約を破棄され職人も引き抜かれてしまうが黄色い煉瓦は自分にしかできないと吉之助は叫ぶ。

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　佳野はこれまで詐欺師と呼ばれた久田吉之助の伝説を覆す記事を書きあげるのだが要求と違うと突き返されてしまう。

　デスクの高木明仁から牧口銀司郎が残した手記を渡され久田吉之助の悪評はこの手記によるものと判明する。

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　牧口は有田焼の名手・寺内信一と建てた帝国ホテル煉瓦製作所で煉瓦を焼くが鉄錆色の煉瓦しか焼けないのだった。

　妻から黄色い煉瓦が焼けないと聞いた吉之助は夜の工場へ…

　窯に穴をあけ焼く途中窯に空気を入れることで黄色い煉瓦を焼き250万個もの煉瓦が製造されたのだった。

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　久田吉之助は窯を壊した翌年41歳で死去するが100年後の現在ようやくその功績が評価されようとしている。